5月8日、アサヒグループHDは8日、カルピスを買収すると正式に発表しました。親会社である味の素から全株式を約1,000億円(その後の報道では1,200億円とも)で取得すると報じられています。飲料業界では過去最大のM&Aです。
カルピスといえば、私たちの生活で慣れ親しんだ企業です。日ごろ目にする商品の企業買収劇、その金額や規模は上場企業レベルであったとしても、M&Aが衣食住に影響ある身近な感覚で起こっていることを痛感しました。
アサヒグループHDにとって今回のM&Aの目的は、飲料事業の拡大です。買収後の業界シェアが第4位から第3位へ浮上します。また、引き続きM&Aには積極的姿勢を示しています。
一方、味の素は売却資金をもとに企業成長のための投資に活用するようです。コアビジネスに経営資源を振り向けるようで、具体的な投資は加工食品や先端バイオ関連、またM&A(技術買収も含む)とも報じられています。
M&A後の両者の企業活動に注目したいところです。
M&A=上場企業ではない
上場企業のM&Aだけが、新聞紙上をにぎわせているので、M&A=上場企業の印象を与えかねませんが、中堅・中小企業もM&Aを活発に進めています。いかんせん、上場企業と中堅・中小企業では、M&Aの目的が違います。いずれにしても生き残りをかける手段の位置付けは変わりません。
非常に競争の厳しい時代、100%すべての企業に与えられた手法ではありませんが、検討するに値する手法である事は間違いありません。